「いわて創造学習」フィールドワーク報告
2025年10月08日 活動報告
「地域創造教育プログラム」の中核授業の一つである「いわて創造学習」では、4月から「いわて創造学習Ⅱ」の学生(企画学生)が企画・準備を進めてきた2日間のフィールドワークを、9月に4コースで実施しました。
各コースでは、過去に企画学生として参加した学生がスチューデント・アシスタント(SA)として助言・支援を行いました。以下に、それぞれのSAがまとめた各コースのフィールドワーク概要を報告します。
なお、実際にフィールドワークに参加した「いわて創造学習Ⅰ」の学生(参加学生)によるより詳しい報告会も、2025年11月22日(土)の13時半から開催されます。詳細は後日お知らせしますが、岩手県立大学では、どの学部に入学しても履修できる「地域創造教育プログラム」でどのような学びや経験が得られるのかを知る良い機会となります。ぜひ高校生の皆さんにもご参加いただきたいと思います。
陸前高田コース(2025年9月1~2日)
陸前高田コースは、「陸前高田さ、いぎゃんすぺ~復興 交流 SDGsのまち~」をテーマに、2日間の現地学習を行いました。1日目は、3.11仮設住宅体験館や東日本大震災津波伝承館の見学、高田松原津波復興祈念公園のパークガイド、高田フロンターレサポーターず様からのご講話を通して、東日本大震災当時の状況を体感するとともに、これまでの復興のあゆみ、震災を契機とした交流について学びを深めました。2日目は、陸前高田市の産業に着目し、持続可能なまちづくりについて考えるアクティビティとして、広田湾加工場の見学やワタミオーガニックランド様での体験・ご講話、北限のゆず農園の見学を行いました。
震災遺稿の見学や収穫体験など、現地学習だからこそ出来る活動に参加したことで、地域に目を向け現場で学ぶことの良さを実感するとともに、地域の方の温かさに触れる2日間となりました。

県北コース(2025年9月8~9日)
県北コースは県北地域の衣食住をテーマに、過去から現在にかけての県北地域の衣食住に関するアクティビティ・ねらいを設定し現地学習を行いました。衣食住の衣として二戸のサントップ様の見学、食として郷土料理についてのご講話、住として一戸の御所野縄文公園・博物館などテーマに沿った場所を中心に、ご講話や見学、体験など一つ一つのアクティビティにじっくり丁寧に取り組みました。
普段は入ることのできない場所や、お話を聞くことのできない方からのご講話など、貴重な体験をたくさんすることができ、県北地域への学びがより一層深まった2日間となりました。

北上コース(2025年9月11~12日)
北上コースは「農業・工業・文化・歴史」から北上市の魅力を発見することをテーマに、「産業」と「歴史・文化」に関するアクティビティに分け、現地学習を行いました。「産業」としては、北上市役所様・かぼちゃの収穫体験・キオクシア岩手株式会社様でのご講話と見学・体験をし、北上市を代表する工業についてや農業のDX化、体験することによる実践的な学びに取り組みました。また「歴史・文化」としては、みちのく民俗村様・北上市立博物館様・鬼剣舞体験・北上市立鬼の館様でのご講話と見学・体験をし、北上川周辺での昔の仕事や暮らしについてや伝統芸能に触れることで込められた想いや精神についての理解を深めました。
近年の北上市を代表する企業や北上市の鬼文化、古くからの歴史を持つ伝統芸能など貴重な学びをたくさん得ることができた2日間の現地学習は、北上市を訪れたことがある人もない人もとても有意義で内容の濃い学習の機会となりました。

一関コース(2025年9月18~19日)
一関コースでは「ナンバーワン!オンリーワン!一関!~一番手で唯一な一関を知る~」をテーマにフィールドワークを行いました。なかでも、自然・産業・行政の3つの視点から地域資源へアプローチし、過去・現在・未来に主軸に置くことで一体的かつ連続的な地域理解を試みました。加えて、「SDGs未来都市」に選定された背景から持続可能なまちづくりについての考察も全体のねらいとして組み込まれました。主なアクティビティとしては、市役所職員の方からのご講話(ILC・農業)、厳美渓の散策、一関地方森林組合の方からのご講話および施設内見学、猊鼻渓での舟下り体験、紙漉き体験を行いました。
一関市の豊かな自然を活かした産業振興や伝統的な技術・文化・歴史に直に触れ、新たな気づきや学びを得ると共に、実際に現地の方と交流したからこそ見えてきた「地域のリアルな姿」がそこにあり、改めて現地学習の大切さを実感させられた2日間でした。
